メンタリストDaiGoの炎上を受けていちファンが思うこと。
メンタリストDaiGo氏がこの度炎上した。
その件についていちメンタリストDaiGoのYou Tubeファンとして考察してみたいと思う。
ことの発端は普段彼がYou Tubeでやっている質疑応答での発言。
私が気づいたときは動画が削除されていたので確認できなかったが
要約すると「ホームレス、生活保護の方の命はどうでもいい」
そんな言い方だったらしい。
「ホームレスとか生活保護の人にお金を割くのはおかしいよね」
「生活保護の人たちに食わせる金があるんだったら、猫を救ってほしいと僕は思う」
「自分にとって必要もない命は軽い。だからホームレスの命はどうでもいい。正直、邪魔だし、プラスにならない」
といった発言だったようだ。
この発言だけ聞くとDaiGoファンとしては「まぁ彼の感覚ではそうだよね」と思う。
彼の好きなものは猫と弟たちと今は亡き最愛の母。
長年いじめに遭っていた彼にとって弟たちと母以外の人間は「どうでもいい」カテゴリに入るからだ。
それはおそらく視聴者に対してもそうで、彼はYou Tubeや彼の作った知識のNetflix『Dラボ』の視聴者のことを大切に思っているとか感謝しているとかそういう発言は今まで聞いたことがない。
私はDaiGoの人格のファンではなく、論文を読む人鈴木佑と論文を解説する人メンタリストDaiGoの作ったYou Tubeチャンネルのファンである。より深い知識を教えてくれるDラボも無料期間だけ会員になったことがあるが一生使える知識がザクザク入っており大変魅力的に感じた。
彼は論文の内容を喋る、そして視聴者はそれを聴く、そこはWin-Winの関係である。
彼の人格を愛して視聴していた人の一部は今回のことで離れることもあるかもしれないが私はこれからも視聴者であると思う。知識がほしいから。
ちなみに私は生活保護者もホームレスも福祉の力で支えていくべきだと考えている。
が、そう思わない人もいる。
『弱者を強者が救うべきか否か』はこれからも議論されていく課題だし、これについては個人で好きな意見を持つ自由がある。
ただ、メンタリストDaiGo氏は影響力がありすぎたと言えるかもしれない。
You Tubeチャンネル登録者数247万人(2021/08/13段階)の彼が弱者へのヘイトとも取れる発言をしたことで、視聴者の一部やDaiGoを妄信する信者は「ホームレスや生活保護の命は軽い」と思ってしまう可能性がある。
弱い人を助けなさい、助け合いなさい、そんな空気の中育った人間が多数派を占める日本で、弱者を切り捨てる発言をすると「多数派」の人たちは眉をしかめる。それが今回の炎上である。
炎上を受けてDaiGo氏は「個人の意見を言ったまで」と謝罪する意向はないことを示した。こちらも削除済みのため確認はできないがTwitterでも「弱者を救うために1人3万円とか徴収されたら嫌でしょう?」とつぶやいていたのを私は見た。
個人の意見を言っただけ、で炎上騒ぎになって叩かれた芸能人をたくさん見てきたが、言論の自由がある日本でよほどの誹謗中傷でない限り『言う』ことを制限することはできない。
ただそれと同時に『その人のファンを辞める』『その人への批判を言う・書く』自由もあるので各自自由にするといいと思う。私もこうしてつらつらと思うところを書いている。
じゃあ彼が炎上することがわかっていたらこういった発言をしなかったかというと、私はそうは思わない。
いつぞやの放送で、
「炎上は怖くないです。今までもちょこちょこ炎上しかねない発言をしてみましたけどチャンネル登録者数とDラボの新規会員数に影響はなかったですもん」
といったことを話していた。
彼はコメント欄も見ていないしTwitterのリプライも見ていない。あくまで登録者数の推移やDラボ会員の推移のデータ至上主義者である。
「僕は物理学者のファインマンと同じ社会的無責任論者です。」と動画で話していたのも彼らしいエピソードである。
だから今回のことで腹を立てた方でNOの意思をDaiGoに届けたいと思うのならば、
You Tubeチャンネルを登録していた人は解除し、おすすめに出てくるDaiGoの動画を「非表示にする」にし、該当の動画に低評価をつけ、Dラボ会員であるなら退会をするなどして、データに影響を及ぼすタイプの意思表示をするのが良い方法だと思われる。
彼はメンタリストであり心理学に長けているが、自分にとって好きでない人たちの感情を汲み取って気を遣う、などといったことはしないのだ。
ただ、好きである人の話す論理的な意見なら聞くかもしれない。
彼の弟である松丸亮吾氏が「論破するまで怒り続けます。今回ばかりは兄がおかしい。」
とTwitterで発言をした。
今まで兄が炎上しても「また炎上してんな〜〜」くらいにしか思ってなかったし触れないようにしてたけど、人の命を軽く見る発言だけはさすがにダメです。それだけは絶対に許されない。
— 松丸 亮吾 🍥 (@ryogomatsumaru) 2021年8月12日
今度会ったら絶対に論破するまで怒り続けます。今回ばかりは兄がおかしい。ごめんね。
先述したとおりDaiGo氏の大切なものは猫と弟たちと亡き最愛の母とワインとティファとユフィとくびれである。
弟たちを誹謗中傷するやつがいたら片っ端から訴訟して潰してやる、と言っているDaiGo氏。
弟の意見は耳が痛いと思われる。
私の主観だがDaiGo氏は亮吾と亮吾の飼っている猫のリドくんには甘いように思う。
と、言ったことを書きたいなと思いながら一晩寝て起きたら打って変わってDaiGo氏が謝罪動画を出していて驚いた。該当の動画やツイートも削除されており、全面的に謝罪する方針を見せた。
私が考えるに要因は2つ、
1つ目、弟である松丸亮吾氏に怒られた
2つ目、登録者数・会員数が激減した
松丸亮吾氏がツイートで、論理的に長文をDaiGo氏に送ったと話していた。
感情・倫理観で話しても絶対伝わらない相手だと思ったから、ひたすらに否定の余地がない事実ベースでどこが間違ってるか、いかに勉強不足で無知な発言をしたかを兄に超長文で送りつけて話したわけだけど、今日の謝罪動画の喋り出しが「勉強不足でした」だったからちょっとは効いたんだろうか……
— 松丸 亮吾 🍥 (@ryogomatsumaru) 2021年8月13日
しっかりとした返信はなかった様子なので、どこまで効いたかはわからないが、少しは思うところがあったのかもしれない。
ちなみに先日松丸家では一家揃って本を出版したところで、その売上が下がることも危惧したのでは? と思ったが、そうなら「個人の意見を言っただけ」とは開き直らないだろうし、たとえ今回の炎上で売上が下がって父親に渡る収益が減ったとしてもDaiGo氏のポケットマネーから補填するくらいのことはするだろうなと思った。
弟たちへ火花が散るのを嫌がったのもあるだろうか。弟からのLINEもしくはメールで弟への影響を考えて謝罪する……という防御を考えてのことというよりは、
今回のことで弟たちへの誹謗中傷があった場合は月に9億以上稼いでおきながら収入の10分の1以下に生活費をまかなっている膨大な資金力とお抱えの弁護士団を使って訴訟祭りをするタイプの攻撃力重視の兄だと思う。
やはり2つ目の理由も大きかったのではないだろうか。
先程確認してみたところDaiGoのYou Tubeチャンネルの登録者数が一晩で一万人減っていた。
チャンネル登録者数ランキングも急降下している。
https://ytranking.net/channel/9967/chart/
先述した意思表示を行った人は相当数いたようだ。
Dラボに関しては彼と彼の仲間が作った独自のサービスなので会員数は調べても出てこないがTwitterではDaiGoの発言を受けて退会をした、といったTweetが数件だが見受けられた。黙って行動する人がこの何倍いたかは定かではない。
「You Tubeは暇つぶしです。知識を忘れないようにするために話す必要があって以前は猫に話していたんですが迷惑そうな顔をするのでYou Tubeで話してるだけです」と言っていたDaiGo氏も流石にチャンネル登録者数減少からのDラボへの流入が減るのは痛いだろうし、実際Dラボ会員も減ったのだと思う。
おそらくデータを見て、これは良くないと判断してからの行動が早かった点はさすがとしか言いようがない。
以前動画で『科学的に正しい謝罪の仕方』を紹介していたので謝り方も大変にうまかったように思う。基本的に平謝りすること、言い訳をしないことがポイントだったと記憶している。
DaiGo氏の謝罪動画を見てみたが、ざっくりと
「知識を広める活動をしているのに、よく知らないことに関して一方的に非難したのは良くなかったと思います」
「猫を助けてほしいという話がしたかっただけなのに、ホームレスや生活保護の方々を攻撃するような話をするべきじゃなかったです」
「このまま自粛、というのでは何も変えられないのでこれからはホームレスの方の支援をされているNPO法人の方への取材を予定しています。勉強させていただきます」
といった内容でとにかく「申し訳ございませんでした」と何度も頭を下げていた。
動画を見終わって気がついたのだが、いつもは部屋の中をうろうろしている猫のぬこ様、みこ様、ぴこ様がいなかった。いつもは放送そっちのけで猫とイチャイチャし始めるDaiGoなのに、今回は猫様たちを別室に隔離したのかもしれないと思うと、いつも猫様たち≫≫≫≫≫≫視聴者なDaiGoの誠意を感じてしまった。
DaiGoは一般的に、人道的に不適切な発言をしてしまった。
だが、おそらく弟の説得や人々が離れるデータを見てことの重大さに気が付き、発言を謝罪した。
めでたしめでたし。
だが、DaiGoが何を話し、何を話さなかったのかはよく考えておいてもいいと思う。
彼が「支援している方々を傷つけてしまい申し訳ございませんでした」と言っていたのは、人の心に寄り添った発言だったので少し意外だった。
ただ、ホームレスや生活保護の当事者の方々への謝罪ではないし、『発言してしまったこと』を謝ってはいたが「ホームレスや生活保護の方々もひとりひとりが大切な人間です」とは言っていない。あくまで発言をしたこと、思想を頭の中から出して口から出してしまったことは謝っているが、彼本人は以前「弱者は救う必要がない」と考えていると思われる。
(もちろん思想の自由があるためこれが悪であるとは私は言わない)
謝罪動画でも「取材して勉強していく中で僕の考えが変わるかもしれない、少なくとも理解は深まると思うし前回の暴言のようなことは吐かなくなると思います」と言っている。
つまりまだ考えは変わっていないのだ。
ちなみに謝罪動画は広告収益・スパチャ共に慈善団体に寄付されるので気兼ねなく観てみてほしい。
これからDaiGoは生活困窮者を支援する団体に話を聞いたり取材をしたりする動画を増やしていくことで、失った好感度及び登録者数・会員数を上げていこうとするだろう。
実際発言力のある彼がそういった情報を発信していくことは視聴者に様々な知識と問いかけを与えることになりよい機会となるだろう。
ただ、もしこれを読んでいるあなたが「生活困窮者への支援をするべきでないと考えている人を応援したくない」という思想の持ち主であれば、
これからDaiGoの動画を見ていくことは苦しいことになるかもしれない。
もしくは、今後の彼の活動の中で彼の考えが変わっていくことを期待していくという楽しみ方も否定はしない。
私は思想と言論は自由であるという思想を持っているから。